5月も最終日を迎えまして、2022年もあっという間に半分が終わってしまいそうですね。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。ワタシはまさに2022年がもうあと半年で終わってしまうことへの恐怖に襲われている真っ最中でございます。

ところで、皆さまは弊メディアにて最も古い記事の一つでありながら、今なお圧倒的人気を誇る記事がどれだかご存知でしょうか?それは…

こちらの記事です。ボクシングの魅力と企業がボクシングにスポンサーするビジネスメリットについて書いたこの記事が弊メディアの週間人気ランキング5位以内を安定的に維持し続けている記事となっております。

しかし、この記事を読んでスポンサーするメリットは分かっても、そもそも日本のボクシング界について全然知らないからどこにどうやってスポンサーしていいのか分からない!なんて声が我々のもとに届いてきます。

というわけで、今回の記事は日本のボクシングの歴史、日本のボクシング人気、スポンサー事情、なんかについてざっくり整理しとこうと思います。

「ボクシングのスポンサー考えてみたいな~」って人が最初に読む記事になればと思います。

では参ります!

1. 日本におけるボクシングの歴史をざっくりと

まずは、日本のボクシングの歴史を見ていきたいと思うのですが、なにせ約100年の歴史があるのでかなりざっくりと進めちゃいますね。

日本におけるボクシングの歴史は、1921年日本拳闘倶楽部というボクシングジムが設立されたことから始まりました。ここから次第に日本にボクシングが普及していきます。(出典:笹川スポーツ財団 | ボクシング、JBC | ボクシングの歴史、JPBA | ボクシングの歴史

1931には現在の日本プロボクシング協会の前身である全日本プロ拳闘協会が設立。ピストン堀口という伝説と呼ばれるボクサーの出現も手伝って、ボクシングは大衆の支持を急速に集めていきました。大きな盛り上がりを見せたボクシング界でしたが、戦争の影響もあり活動ができなくなってしました。(出典:JBC | ボクシングの歴史、JPBA | ボクシングの歴史

戦後間もなく日本ボクシング界は活動を再開。1952年には現・日本ボクシングコミッションが発足。同年に日本初の世界タイトルマッチが開催され、日本人初世界王者が誕生。王者の名は白井義男。この試合は4万人もの観客が訪れ、世間の大きな注目を集めました。この試合によって、白井は戦後を生きる国民にとっての”希望の光”となったそうです。(出典:後楽園ホール | 後楽園ホールの格闘史、nippon.com | 日本ボクシング界初の世界王者を育てた米国人:GHQのカーン博士

(出典:後楽園ホール | 後楽園ホールの格闘史

日本人初の世界王者誕生という歴史的瞬間を皮切りに、日本ボクシングの人気はすごい勢いになってきます。

1955年の白井とパスカル・ペレスの世界タイトルマッチでは96.1%の視聴率を記録。1960年代に入ると、海老原博幸青木勝利ファイティング原田の3選手が3羽ガラスと呼ばれ絶大な人気を集めました。特にそのうちの1人であるファイティング原田の人気っぷりはすごく、原田の世界タイトルマッチの視聴率は1965年に60.4%、1966年に63.7%という数字をたたきだしたとか。さらに1950年代~60年代のこの頃、ボクシングのテレビ放送がなんと週8回もあったのだそうです。ボクシング人気がとにかくハンパなかったんですね。(出典:日テレ | 日本テレビ略史、後楽園ホール | ザ・インタビュー、笹川スポーツ財団 | 栄 光 へ 、連 打! 連 打!ファイティング原田)

1970年代に入っても日本ボクシングの人気は続いていきます。この頃、輪島功一ガッツ石松などの人気ボクサーが活躍する中、具志堅用高が台頭します。後に世界タイトル連続13度防衛するなどの偉業を達成する具志堅は、言うまでもなく日本のボクシング人気の立役者となりました。1977年9月26日以降に放送されたボクシング番組の視聴率ランキングトップ10のうち具志堅の試合は半分を占め、いずれも視聴率30%超えです。ランキングの1位も具志堅の世界タイトル戦で、43.2%の視聴率を獲得しています。この頃のボクシングも1950~60年代と同様に、人気ハンパねぇ!状態が続いていたのですね。(出典:ビデオリサーチ | プロボクシング高世帯視聴率番組、太田プロダクション | 具志堅用高

その後、平成の三羽ガラスと呼ばれた鬼塚勝也辰吉丈一郎ピューマ渡久地が活躍した1990年代。亀田興毅長谷川穂積が人気を支えた2000年代前半を経て現在に至ります。(出典:スポーツ報知 | 「平成の三羽烏」ピューマ渡久地さん、記憶が消える病「何分かたつと忘れちゃう」

1990年代以降については、読者の皆様も記憶にある方が比較的多いかと思いますのでかなり足早にそしてざっくりとした説明にさせていただきました。(ざっくりすぎてスミマセン…)

2. 現在日本でボクシングはどのくらい人気?

テレビの普及率や録画機器の有無、視聴率の計算方法など様々な違いがあれど、1955年の白井×ペレスの試合は96.1%というハンパねぇ視聴率を出すほど、”観る”スポーツとしてかなりの人気を持っていたボクシング。(出典:日テレ | 日本テレビ略史

じゃあ、近年ボクシングって”観る”スポーツとして日本でどのくらい人気なんでしょうか?

一般社団法人中央調査社の調査によると、2021年の好きなプロスポーツランキングでボクシングは6位になっています。非常に微妙な順位だなぁと思うかもしれませんが、近年人気が高まっているバスケットボール、つまりはBリーグよりも人気があるんだそうです。

(出典:一般社団法人中央調査社 | 「人気スポーツ」調査

さらに、人気選手の大一番の試合となればそれなりに高い視聴率を取ることもできており、”観る”スポーツとしての人気は近年もある程度あることが分かります。例えば、2019年に行われた井上尚弥選手が出場したWBSSバンタム級決勝では平均視聴率が15.2%、瞬間最高視聴率20.5%を記録しました。(出典:スポーツ報知 | 井上尚弥が初優勝のボクシング世界戦中継 平均15・2%、瞬間最高20・5%の高視聴率

では次に、日本ではどのくらいの人がボクシングをしているのでしょうか。ボクシングの”する”スポーツとしての人気を見てみましょう。

最新の数字を見ると、アマチュアボクサーの数は3,388人。ここでいうアマチュアボクサーとは中央競技団体に登録している選手を指します。なので、趣味でボクシングジムに通っている人などはここには含まれていません※。そして、プロボクサーは1,718人いるそうです※。つまり、日本にはアマチュア、プロ合わせてだいたい5,000人のボクサーがいるみたいです。(出典:笹川スポーツ財団 | 中央競技団体現況調査 2020年度、一般財団法人日本ボクシングコミッション | 令和3年度事業報告書)※アマチュアボクサーは2020年時点、プロボクサーは2021年時点の数字

それって多いの少ないの?って話ですよね。実は、日本のプロボクサーの数は減少傾向にあります。2021年時点のプロボクサー数は1,718人。15年前の2006年と比べると約2分の1になっています。アマチュアボクサーだけ激増しているということは考えにくいので、日本ボクシングの”する”スポーツとしての人気は減少傾向にあると想定されます。

(出典:一般財団法人日本ボクシングコミッション | 情報公開 より作成)

では、他のスポーツと比較してみましょう。↓は日本の一部の個人スポーツのおおよその競技人口を比較しています。(競技はランダムに選ばせていただいています。)

競技人口という言葉は、レクリエーションレベルの競技者を含むものもあったりと幅広い使われ方をする言葉です。この表では競技人口を、プロ選手の人数+競技団体登録者数と定義しています。

(出典:公益財団法人日本卓球協会 | 加盟団体登録人数、公益財団法人日本バドミントン協会 | 会員登録数の推移、公益財団法人全日本柔道連盟 | 事業計画・報告、公益財団法人日本テニス協会 | 情報開示、公益財団法人 日本相撲協会 | 事業報告書、公益財団法人日本相撲連盟 | 令和2年度事業報告、出典:笹川スポーツ財団 | 中央競技団体現況調査 2020年度、一般財団法人日本ボクシングコミッション | 令和3年度事業報告書日本スケートボード協会 より作成)

プロ選手の人数+競技団体登録者数を他個人スポーツと比較すると、やはり多いとは言い難いですね。テニス、相撲、スケボーとはそんなに大きな差はないものの、卓球、バドミントン、柔道と比べると圧倒的な差があるようです。

まとめると、日本のボクシングは”観る”スポーツとしては全盛期ほどではないにしてもそれなりに人気がある一方で、”する”スポーツとしては参加人口が少ない傾向。言い換えれば、競技者としてのチャンスがある分野とも言えるかもしれません。

3. 日本のボクシング界の主要3団体

ここまでで、日本において日本ボクシングがどんな歴史を歩んできたか、そして最近のボクシング人気についてだいたい分かっていただけたかと思います。

ただなんとなくボクシングについてわかっても、具体的に国内ボクシング業界の全体像が分からないって方も多いかと思います。その理由の1つとして、「どんな団体が、どんなことをしているのか」がよくわからんってのがあると思います。実際、日本のボクシング主要団体は色々ニュースになることも多く不安定な部分があることはみなさんもご存知の通りだと思います…。というわけで、ここからはそんな国内ボクシング業界の主要団体について、諸々の事情も含めて解説してみたいと思います。

現在日本のボクシング界には主に3つの中央団体があります。日本ボクシングコミッション(JBC)日本プロボクシング協会(JPBA) 、日本ボクシング連盟(JABF)です。

日本ボクシングコミッションは、日本で行われる全てプロボクシングを統轄する団体です。試合の承認・管理、プロボクサーになるためのプロテストの実施、各種ライセンスの発給、日本ランキングの認定などの業務を行っています。(出典:一般財団法人日本ボクシングコミッション

実は、この日本ボクシングコミッションは財政難のため2022年3月31日を持って解散を発表しています。4月からはJBCの名前を残したまま精算財団として業務を継続しているという状況です。今後は、債務超過を解消させて財団法人として復活する、別法人として再出発するなどの方法をとり、再建を目指していく予定だそうです。つまり、日本ボクシングコミッションは解散はしているけど業務はしており、再建に向けて動いているという状況というわけです。(出典:NHK | プロボクシングのJBC 解散を発表 新型コロナ影響で財政難、朝日新聞 | JBC解散へ 亀田氏との裁判に敗れ1億円賠償命令、財政難に、デイリー新潮 | 解散発表「JBC」が「新団体」設立で延命工作 再建のカギを「東京ドーム」が握る理由

(出典:一般財団法人日本ボクシングコミッション

日本プロボクシング協会は、日本国内のプロボクシングジムを統括している団体です。前述の日本ボクシングコミッションからは独立しています。各ボクシングジムは日本プロボクシング協会に加入していないと、日本ボクシングコミッションが管轄する試合に出場することができません。なので、事実上ボクシングジムがこの協会に入ることは必須となっています。(出典:日本プロボクシング協会

(出典:日本プロボクシング協会

ここまでで紹介した日本ボクシングコミッション日本プロボクシング協会は、ここ数年対立関係にありました。日本ボクシングコミッションのその対立関係は、日本プロボクシング協会が独自に試合の運営をするための準備委員会、第2のコミッションを作るという計画までに発展。これは、日本ボクシングコミッションが解散を発表する前から動いていた計画のようです。日本ボクシングコミッションが解散し再建に向けて動いている今、両団体は対立関係を続けるのか、一丸となり日本プロボクシング界の発展のために協力していくのか、未だ不安定な状況が続いています。(出典:スポニチ | ボクシング界の対立激化 JBC側に問題も、JPBAの“やり方”は本当に正しいのか?、THE PAGE | プロボクシング界に起きている“内紛”は解決できるのか…JBCトップ永田理事長を直撃「そこまで悪いことをしましたか?」

そして、最後に紹介するのが日本ボクシング連盟、日本国内におけるアマチュアボクシングの競技統括団体です。アマチュア大会の運営・管理、日本代表選手の強化、普及活動などを行っています。

こちらも2018年に前会長山根氏による助成金の不正流用や審判不正などの様々な問題が明らかになり、組織の信頼性を問われた時期がありました。その後当時の理事を総辞任させ、組織内の規定整備を進めるなど組織改革を推進。競技普及や選手の育成も推し進めていく中で、徐々にではありますが組織に対するイメージを変えていきました。

その結果今では、日本ボクシング連盟には5社のスポンサー企業がいます。そして競技面でも結果を出しており、東京オリンピックで1つと2つの合計3つのメダルを獲得。金メダルを獲得した入江聖奈選手は、女子ボクシング史上初の日本代表選手&女子ボクシング史上初の金メダル獲得という偉業を成し遂げました。さらに、世界選手権でも日本アマチュアボクシング史上初の金メダル獲得を2選手が達成しています。

一時は信頼を失ったものの現在はスポンサーを獲得、競技面でも着々と結果を出しており、日本ボクシング連盟は組織として力を取り戻しつつあるという状況のようですね。(出典:THE ANSWER | 日本のアマボクシングが強くなった理由 山根政権の“金の流れ”を変えた連盟の改革世間を騒がせた、あの“山根問題”から3年 騒動から甦った「日本ボクシング連盟の今」日本ボクシング連盟 | 【東京五輪】ボクシング史に刻まれた新たな快挙、中日スポーツ | 日本初の金メダル・坪井智也が“快挙”振り返る「引退の覚悟を持ちながら臨んだ大会で…」 【アマチュアボクシング男子世界選手権】))

(出典:一般社団法人日本ボクシング連盟

ここまで見てきた競技団体は、それぞれ全く異なる組織に加盟しています。

日本ボクシングコミッションは、世界ボクシング主要4団体であるWBCWBAIBFWBOに加盟しています。WBCに関しては、WBC傘下のOPBF(東洋太平洋ボクシング連盟)に日本ボクシングコミッションが加盟しているので↓のような構図になります。

日本プロボクシング協会は、日本プロスポーツ協会という組織に加盟しているみたいです。(この日本プロスポーツ協会ですが、2018年以降目立った活動がないので現在どのような活動をしているのかは不明です…)

そして、日本ボクシング連盟は、IBA日本オリンピック委員会大学スポーツ協会に加盟しています。IBAは、世界のアマチュアボクシングを統括する国際競技連盟。そして、日本ボクシング連盟の大会には大学生が出場するものも多くあるということで大学スポーツ協会にも加盟をしています。

こうして各競技団体が加盟する組織を整理してみると、日本ボクシングの中央団体である3つの団体の違いがより明確に見えてきたような気がしますね。

(出典:WBCWBAIBFWBO公益財団法人日本プロスポーツ協会IBAIOC日本オリンピック委員会大学スポーツ協会日本ボクシングコミッション日本プロボクシング協会日本ボクシング連盟 より作成)

4. 試合について

4-1. プロボクシングの場合

プロボクシングは野球やサッカーのような他のプロスポーツと違い、年間の興行スケジュール、開催場所がきっちり決まっているわけではありません。シーズンの通算勝利数を競うわけでも、毎年行われるトーナメント戦での優勝を目指すわけでもありません。

では、日本プロボクシングの試合ってどんな感じやねん!ってところを見ていきましょう。

プロボクサーは各プロボクシング団体が設定するランキングで競い合い、そのトップである王者を目指します。体重別に分けられた階級ごとに、それぞれの王者が存在します。(ちなみに、世界の場合はWBC、WBA、IBF、WBOが世界の主要4団体がそれぞれ設定したランキングのもと王者を目指します。井上尚弥や井岡一翔らはこれらの現王者です。)

日本国内の王者を決める「日本タイトルマッチ」という試合が日本プロボクシングのトップレベルの試合です。日本ボクシングコミッションが認定するタイトルです。

「日本タイトルマッチ」の試合が組まれるのは、①該当選手が王者に挑戦する時②防衛戦の時です。①該当選手が王者に挑戦する時の場合、日本ボクシングコミッションが認定する日本ランキングから、ランキング12位までの選手に自動的に王者への挑戦権が与えられます。挑戦権が与えられた選手のみ王者と試合で戦うことができるのです。一方の②防衛戦の時の場合ですが、王者は”12ヵ月に1回以上防衛戦を行わなければならない”とルールで決まっています (初の防衛戦勝利後)。防衛戦では王者が挑戦者を選択し、試合が組まれるというわけです。(出典:日本ボクシングコミッション | 一般財団法人日本ボクシングコミッションルール

イメージとしては、↓のような感じ

現在、ボクシングは17の階級に分けられています。そのうち日本王者が認定されているのは13階級、つまり13人の王者がいるというわけです。日本ボクシングコミッションの防衛戦に関するルールに沿えば、「日本タイトルマッチ」は最低でも年間13試合行われているっちゅうわけですね。

4-2. アマチュアボクシングの場合

アマチュアボクシングの場合は、ここまで説明したプロボクシングとは大きく異なります。アマチュアボクシングに関しては他のアマチュアスポーツと大差なく、地方大会を勝ち抜き、全国大会優勝を狙うために日々練習を重ねる。その先に世界の大会出場が見えてくるといった感じです。

日本のアマチュアボクシングは、アンダージュニア、ジュニア、シニアの3部門に分かれています。アンダージュニアが小学5・6年生と中学生、ジュニアが高校生、シニアが19~40歳の選手という具合に分けられています。それぞれの部門で、地方大会、全国大会が設けられています。国内アマチュアボクシング最高峰の試合は全日本ボクシング選手権で、毎年秋ごろに開催されています。(出典:一般社団法人日本ボクシング連盟

アマチュアボクシングに関しては、ある程度年間のスケジュール感は決まっているというところがプロボクシングとの大きな違いになります。

5. 日本人選手とそのスポンサー事情

ここまで日本ボクシング界の主要団体と試合についてお話してきました。ここからは、日本のトップボクサーのスポンサー事情を見ていきましょう。

5-1. プロボクサーの場合

まずは、どんな企業がプロボクサーにスポンサーしとるん?ってとこから見ていきます。①2022年5月13日時点で世界タイトルを保有している日本人ボクサーの、②2021年に行われた試合においてパンツ前にロゴを掲示した、③企業HPを持っている、スポンサー企業に絞って紹介します。

(出典:boxing news | 井岡一翔がWBO・S・フライ級V3 ロドリゲスとのクロスファイト制す井岡一翔が判定勝ちでWBO・S・フライ級王座V4 福永亮次は奮闘も及ばずスコアあり、日本経済新聞 | ボクシング京口、米国デビュー飾る 5回TKOで防衛、日刊スポーツ | 寺地拳四朗が号泣8度目防衛「負ければ人生が」1年超の空白と重圧乗り越え大流血の寺地拳四朗V9ならず、矢吹正道が新王者/世界戦ライブ詳細、Yahoo!ニュース | 日本ミニマム級タイトル防衛に成功した谷口将隆「ノニト・ドネア、京口紘人から学んだこと」、BBMスポーツ | 【ボクシング】「ようやく自信を持てた」──谷口将隆、劇的11回TKO奪取!、THE ANSWER | 中谷潤人、リングを血に染めた4回TKO初防衛 米メディア称賛「一撃の重さは明らかだ」、Number Web | 「家族がいなかったら死んでいた」IBF世界王者・尾川堅一が語る“薬物陽性”から復活した“ニューヨークの夜”井上尚弥、衝撃3回TKOに海外記者から賛辞続々「冷酷なほど効率的」「凶悪なボディー」、Sponichi Annex | 7回、アラン・ディパエン(右)に左フックを見舞う井上尚弥(撮影・島崎 忠彦)より作成)

※村田諒太選手に関しては、2022年5月13日時点で世界タイトルを保有している日本人ボクサーという条件に当てはまっていましたが、2021年に試合を行っていないので今回は省略させて頂きました。

プロボクシングのスポンサー契約に至る流れとしては、代表的なもので以下3つのパターンがあります。
各選手の所属ジムを経由して、年間スポンサーもしくは特定の試合におけるスポンサーとなる場合
各選手の所属マネジメント会社を経由して、年間スポンサーもしくは特定の試合におけるスポンサーとなる場合
各選手と直接交渉し、年間スポンサーもしくは特定の試合におけるスポンサーとなる場合(所属ジムやマネジメント会社のポリシーによっては不可)

スポンサー契約内容はもちろんパンツロゴに限らず、近年では選手のYoutubeチャンネルとのコラボなど様々な形態があります。

この記事を読んでる方の中には、日本のボクシングスポンサーの機会に多少なりとも興味のある方がいらっしゃるかと思います。↑を見て、「競合のあの会社はあの選手のパンツスポンサーなのか。他の選手のパンツスポンサーをするのもいいし、そもそもパンツスポンサー以外の方法も検討してみよっかな」なんて思いを巡らせていただければと。

プロボクサーをスポンサーするメリットをまとめている記事もありますので、こちらも参考にしていただければと思います。

5-2. アマチュアボクサーの場合

アマチュア選手に関しては、今までユニフォームへのスポンサーが許可されていませんでした。しかし、つい最近の2022年4月に競技規則が改訂され、アマチュア選手もユニフォームにスポンサーロゴを付けることが可能になりました。(出典:一般社団法人日本ボクシング連盟 | 【更新】競技規則について(お知らせ)

シャツの前面、後面、パンツの前面への合計4社までスポンサー企業のロゴ掲出が可能になりました。↓の図の水色の部分にスポンサー企業のロゴを掲出できるそうです。

(出典:一般社団法人日本ボクシング連盟 | 【更新】競技規則について(お知らせ)より作成)

東京オリンピック代表の岡澤セオン選手によると、

「今までアマチュアで(大学卒業後も)ボクシングを続けるには、
国体に出場するか、自衛隊に入るしかなかった。」

のだそうです。(出典:西日本スポーツ | 東京五輪代表らが明かすスポンサー事情 鹿児島を拠点とする2選手の思い

しかし、ユニフォームへスポンサー企業のロゴ掲出が可能になったことによって、アマチュア選手への支援の幅が広がりました。プロに転向せずとも、ボクシングで稼ぐことのできるアマチュア選手がこれから増えてくるかもしれませね。

実際、先程紹介した岡澤セオン選手はスポンサーを付けて活動するアマチュアボクサー”プロのアマチュアボクサー”として活動していくと表明。現在↓の企業が岡澤セオン選手のスポンサー企業となっています。(出典:西日本スポーツ | 東京五輪代表らが明かすスポンサー事情 鹿児島を拠点とする2選手の思い

(出典:株式会社スポーツビズ | 岡澤 セオン

6. おわりに

いかがでしたでしょうか。今回の記事は、日本のボクシング界の歴史から現状まで幅広く書かせていただきました。

約100年という長い歴史があるボクシング界ですが、スポンサーシップという観点からだけで見るとまだまだ発展の余地がありそうです。世界王者の選手でさえも、ナショナルクライアントがスポンサーについている選手は少ないですし、アマチュア選手に関してはスポンサーロゴの掲出が解禁されたばかりなので企業がまだまだ参入してきていない状況です。

この記事を読んでボクシングの全体像がわかり、自社にメリットのあるスポンサーの形を考えたい!と思っている企業さんの検討が少しでも前に進めば幸いです。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。