みなさん、学生時代、どんなスポーツしてましたか?もしくは、いま、どんなスポーツしてますか?

日本では、国民がするスポーツの約9割は野球やサッカーなどのメジャースポーツで占められていると言われています。

かくいう私も、学生時代はサッカー、フットサル、社会人になってからは筋トレ、ボクシングという「ド」メジャースポーツ人間です。

では残り1割のスポーツは何かというと…、マイナースポーツです。

マイナースポーツの定義ですが、

「競技者人口が少なく知名度が低い(一般人にとってなじみの薄い)といえるスポーツの総称。マイナーなスポーツ」(参照:weblio辞書│「実用日本語表現辞典」)

「そのまんまじゃねぇか!」と言われそうですが、具体的には、ガバディやセパタクローなどを思い浮かべてもらえるとイメージが湧きやすいかと思います。

先日、ある企業と打ち合わせをした際、こんなこと言われました。

「社長に『某マイナースポーツにスポンサーすることにしたからお前あとよろしくな』って振られちゃいました。マイナースポーツってリーチできる層も偏ってるし、限られてるし、スポンサーする意味ってなんなんですかね?」

最初は「出た!スポンサーすることを先に決めて、あとからビジネスメリットを考え出すケース!」と思いましたが、確かにこのお悩みよくわかります。

マイナースポーツはメジャースポーツと比べるとビジネスメリットは少ない気がします。ただ、あれこれ考えてみると、メジャースポーツにはない「旨味」もあるぞ、と。

というわけで今回は、我々の考えるマイナースポーツにスポンサーすることのビジネスメリットについて書いていこうと思います。

なるべく具体例をもってお話したいと思いますので、マイナースポーツの一例として「ストリートサッカー」に絞って、あれこれ話していきたいと思うのであります。それではまいりましょう!

1. ストリートサッカーとは

みなさんはストリートサッカーをご存知でしょうか?

「路上でするサッカーだろ」と言われればそうなんですが、実は競技として存在しているのです。まずはストリートサッカーというスポーツの概要についてお話ししておきたいと思います。

ストリートサッカーはサッカー、フットサルに次ぐ第3のサッカーと言われています。

ゲーム形式としては大きく「1対1」と「3対3」で対戦する2つがあります。

1対1のスタイルでは、直径約5メートルの囲いの中で、3分間で得点を競います。この点はフットサルと似ています。大きく違うのは、相手の股抜きをした瞬間に勝ちとなる、「PANNA(股抜き)KNOCK OUT」というルールが存在する点です。また、フィジカルコンタクト(体がぶつかること)が禁止されている点もサッカー、フットサルとは異なります。

3対3のスタイルでも、同じように股抜きが得点になることと、極端なフィジカルコンタクト(体がぶつかること)が禁止されています。

日本では一般社団法人 日本ストリートサッカー協会(https://www.streetfootball.jp/)がイベントの開催、体験会&スクールなどを通じた普及活動に尽力されています。

下の動画は、日本ストリートサッカー協会のプロモーション動画です。かなりかっこよく仕上がってるのでリンクをポチッとしてみてください。

(参照:日本ストリートサッカー協会│「Japan Street Football Promotion Video」)

2. ストリートサッカーの特徴

では本題に入っていきたいと思います。

こんなストリートサッカーですが、我々は4つの特徴があると考えています。

①国内ではマイナーだが、世界的には競技人口が多いスポーツ

「正確に把握することは難しいものの、ストリートサッカーの競技人口は少なくとも数億人にのぼる」。こう話すのは脱サラし協会代表理事としてストリートサッカー発展のために尽力する畑中崇氏。

日本ではマイナーと言われるスポーツでも、実は海外では人気度が高いという点は見落とされがちです。下の写真を見てもらうと分かる通り、海外ではイベントをするとけっこうな人が集まります。

マイナースポーツは、日本ではなかなか脚光を浴びていなくても、海外では人気が高いというケースもあるんです。

(出典:日本ストリートサッカー協会│「トップページ」)

②ファンとプレーヤーがサッカーとかぶっているスポーツ

マイナーとはいえ、ストリートサッカーはメジャースポーツであるサッカーの亜種です。

サッカーが形を変えたものなので、サッカー選手がストリートサッカーをプレーしたりしています。下の動画はサッカーベルギー代表のデ・ブライネがストリートサッカーをプレーしているものですが、他にもロナウジーニョ、ネイマールもストリートサッカーイベントに参加したことがあります。

プレーヤーがかぶるということは、それを見るファン層もかぶります。サッカー経験者がストリートサッカーを見ると、「え?いまどうやってボール触った?」と思う瞬間が何回もあります。結果、サッカーでは繰り出せないようなテクニックが見れるため、サッカー経験者はついつい見てしまい、ファン化していく可能性があります。

(出典:Youtube│「Elite-Freestyle.com: KEVIN DE BRUYNE vs. PANNA CHAMPION」)

「虎の威を借る」ではありませんが、あるメジャースポーツが発展するとそれに付随して成長していく可能性があるという点はマイナースポーツの特徴かもしれません。

③世界的に有名な日本人選手が見落とされているスポーツ

マイナースポーツでは競技人口が少ないがゆえに、競技年数が浅かったり、年齢が若くとも活躍できることがあります。

そして、時に世界的な有名選手が日本人だったりするのです。

ストリートサッカー界には、森川獅大という選手がいます。彼は、2018年8月にコペンハーゲンで開催されたU15世界大会で日本人初の優勝を飾り、世界を驚かせました。森川選手は“Shiou”という名でストリートサッカー界に知られており、めざましテレビにも特集された逸材です。もしかしたら見たことがあるかもしれませんが、DAZNのJリーグ中継のオープニングにも森川選手の映像が使われています。他にも小黒拓人選手は2019年のPRO部門で見事、優勝を果たしています。

この、”海外では名を馳せる若い逸材が実は日本にいる(でも国内で知られていない)“ということがあったりするのも、マイナースポーツの特徴と言えるかもしれません。

森川獅大選手

(出典:日本ストリートサッカー協会│「世界大会 2019」)

④足技で観る人を魅了するスポーツ

ストリートサッカーはサッカー、フットサルよりも狭いスペースでプレーするため、相手との距離が必然的に近くなります。その限られた距離感の中で、選手は細かい足技を駆使し、得点&股抜きを狙うのです。

選手たちの足さばきは実に巧妙で、「うぇ!いまどうやった?」みたいな技を何度も見ることができます。

サッカー、フットサルは選手全員がシステマティックに動き、得点するダイナミックさがある一方で、ストリートサッカーには限られた空間の中で見せる個人の芸術的なテクニックがあるんです。

下の動画はデンマーク/コペンハーゲン世界大会の様子です。これを見ていただけるとわかるのですが、選手たちは足のあらゆる部分を使い、技巧的にボールをさばき、相手を撹乱します。

(出典:日本ストリートサッカー協会│「デンマーク/コペンハーゲン世界大会 PannaHouse Invitationals 2019」)

3. おわりに

これまでざっとストリートサッカーを中心としたマイナースポーツの特徴について話してきました。

私の頭の中には

「で、その特徴が企業にどんなメリットがあんの?」
「はよ具体例出せや」

という皆さまからのお声が聞こえいます。というわけで次回はストリートサッカーの特徴を踏まえ、企業が具体的にどのようなビジネスメリットを得ることができるのかについて考え事例も踏まえお伝えしたいと思います。

チャンネルはそのままで!

※以下後編