“次はどの事例について記事を書いたらいいんだい!”と一日に16回ぐらいは心のなかで叫ぶサセです。

“良きな事例、出てこいや!”と高田延彦ばりに叫びながら、ワタシは弊社の事例データベースを漁っています。実はSPOVAでは毎日せっせと国内外のスポンサーアクティベーション事例を調査、ストックしています。2003年くらいから直近まで約2万件以上の事例を社内データベースに溜め込んでいます。

我々はこのデータベースを使って、

「どんなスポンサーアクティベーションの効果が大きかったか?」

「海外のスポーツ先進国では企業がどのようなスポーツの使い方をしているか?」

「スポンサー企業の業種、スポーツ競技、地域といった分類ごとに、スポンサーの取組に特徴はあるのか?」

「A企業と、競合のB企業のスポンサー事例を比べると、SNSでの反響の違いはあるのか?」

などの分析を行っています。

今回は、このデータベースを使って、2020年シーズンのJ1リーグ上位5チームがスポンサー企業と行った取り組みを、その注目度(≒SNS上での反響)でランキングしてみたいと思います。ちなみにその上位5チームとは1位 川崎フロンターレ2位 ガンバ大阪3位 名古屋グランパス4位 セレッソ大阪5位 鹿島アントラーズです。リーグの成績では1位じゃなかったとしても、社会的な反響とかスポンサーへの貢献度(≒SNSでのファンの注目度)では1位なんてチームがあるのかもしれません。

それでは参ります!

1. SPOVA DB(データベース)とはなんぞ?

注目度(≒SNSでの反響)の大きかったスポンサー取組事例(J1リーグ順位上位5チーム編)をご紹介する前に、このデータベースについてちょろっと説明しておきます。

このデータベースの機能をカンタンに表現すると、「国内外のスポンサー事例を集約、分析したシステム」です。名付けて(仮)SPOVA DB(データベース)。現時点で、名前は仮称です。もしかしたら「名前だっせぇ」と思った方がいらっしゃるかと思います。繰り返します。名前は仮称です。それに現状は社内システムなんす。

ところで、みなさんも過去にこんなこと思ったことないでしょうか。

「あの会社はどのチームにスポンサーして、どんなことやってんの?」

「海外の有名クラブはどんなスポンサー企業を獲得してんの?」

でも同時にこうも思ったのではないでしょうか。

「スポンサー事例を探して分析すんのだるいわぁ…」

我々のSPOVA DBはそんな作業をラクにするために社内用に開発したデータベースです。

下の図はシステムのトップページです。上段には国内、下段には海外事例が並べられ、最新スポンサー事例を一覧で見ることができます。

そしてこの2万件以上の国内・海外事例を「企業・業界」「コンテンツホルダー(スポーツチーム・団体など)」視点で分析することができます。

要はこういうことです。企業・業界分析では、業界や企業別にスポンサーしているスポーツチームを見ることができます。企業・業界別にどのスポーツチーム・団体にスポンサーしているか?がわかります。

具体的にはってことで、ちょっと前に企業・業界分析の記事をお出ししましたので、気になる方はポチッと願います。

逆にコンテンツホルダー分析では競技種目とそのスポーツチーム別に獲得しているスポンサーを見ることができます。競技・スポーツチーム・団体別にどんなスポンサーを獲得しているか?で事例を抽出できるってわけです。

加えて、事例の効果(SNS反響、売上・営業利益への影響)を起点に分析できるページもあったりします。

今回の記事では「コンテンツホルダー分析」に絞ってご紹介します。

1-1. コンテンツホルダー分析で何ができる?

繰り返しますが、コンテンツホルダー分析では、競技種目やスポーツチーム別にどんなスポンサーとどんなことをしているか?を見ることができます。コンテンツホルダー分析という文字の下にある「国内」ボタンをポチっとすると以下の画面に遷移します。

ここでは競技種目・スポーツチーム別にスポンサー事例を絞ることができます。例えばJリーグチームで絞る場合はこんなかんじです↓。

例えば2020年シーズンのJ1チャンピオン川崎フロンターレで絞ってみます。するとこんなふうに表示されます。フロンターレがどんなスポンサーとパートナーシップを結んでいるのか、が上段に。下段にはそれに紐づく事例が一覧で並ぶっちゅうわけですね。

スポーツチームよりももう少し大きい単位の競技種目で絞る場合はこんなかんじでフィルタリングできます。現時点ではサッカー、バスケのみですが、将来的に野球、ラグビー、卓球などを追加していく予定です。

また、データベースはまだまだ初期段階っちゅうことで、JFA(日本代表関連)やJリーグなどの協会・リーグのスポンサー事例はカバーできておらず、各チームの情報になってます。でもでも、順次追加していく予定であります。

例えばサッカーで絞るとこんなかんじです↓。事例としてはナイキ、日清オイリオ、帝人なんかの事例が表示されてますね。

1-2. 社会の注目度を表す興味スコア

下段に表示されるスポンサー事例ですが、表示される順番は日付が新しいものから、というわけではありません。表示順を決めるのは下段の右にある興味スコアなるものです。

これは各記事の発信元SNSアカウントが投稿した当該記事に対して、どれだけエンゲージメント(コメント、リツイート、いいね)があったか、で算出しています。各エンゲージメント指標はその重要度に応じ、統計学的に妥当と考えられる調整をしてスコア化しています。

ごちゃこちゃと難しく語りましたが、要は“どんだけSNS上で反響があったか”を測る指標ってわけです。正直なところ、スポンサー事例は山ほどあります。海外までその範囲を広げればその数は膨大なものになります。そしてその多くは世間からまったく注目されない事例だったりします。そういった事例を見るよりも、社会的な注目を集めた事例を上から表示できる。それが興味スコアってわけです。

ここまで説明したことと同じようなことが海外のコンテンツホルダーについてもできます。↓にあるように海外のスポンサー事例を競技種目、スポーツチーム(リーグ、団体)で絞り込むことができるってわけであります。

ざっと見ていただければわかりますが、プレミアリーグ、NBA、MLS、フォーミュラ1なんかが並んでますね。これらの団体ごとにどんな会社とパートナーシップを結んでいるのかがわかるのがSPOVA DB(データベース)ってわけです。

2. 興味スコアTop5スポンサー事例(2020年J1リーグ順位トップ5編)

ここまででSPOVA DB(データベース)のコンテンツホルダー分析について「ほぅ。こんなシステムあるんか」とご感心いただければ本望でございます。

ではではここからが本題である、2020年シーズンのJ1リーグ順位上位5チーム(1位 川崎フロンターレ、2位 ガンバ大阪、3位 名古屋グランパス、4位 セレッソ大阪、5位 鹿島アントラーズ)に対象を絞って、興味スコアの高かったスポンサー事例Top5を見ていきます。

以下の5つが興味スコアTop5の事例となります。

2-1. 【5位】この後すぐ! 川崎に集合!! 10/26 JリーグYBCルヴァンカップ「優勝報告会」開催のお知らせ[2019年10月26日]

まず5位にランクインしたのは川崎の商業施設、ラゾーナ川崎川崎フロンターレと実施した取り組みです。

(出典:Twitter | Twitter

2019JリーグYBCルヴァンカップ決勝でフロンターレはコンサドーレ札幌を下し、同大会での初タイトルを獲得しました。試合内容は非常に濃く、劇的な同点弾やPK戦までもつれこむ目の離せない見ごたえのある一戦でした。そんな事情もあってかラゾーナ川崎で行われた優勝報告会は多くの反響を生みました。写真を見てみても多くのファンがラゾーナ川崎に訪れ、その記念すべき勝利を祝ったことが伺えますね。

ワタシも行ったことあるのですが、ラゾーナ川崎って川崎エリアの住民にとってはお馴染みのショッピング施設です。こんな施設で優勝報告会をするあたりが、地元密着を掲げているフロンターレらしいなぁ、と思います。

あと確実に言えることは、谷口彰悟選手、相変わらずイケメンですね(画面中央からちょい右)。

2-2. 【4位】「PayPay株式会社」とスポンサー契約締結のお知らせ[2019年11月25日]

4位は、PayPay(株)と、セレッソ大阪の取り組みです。セレッソ大阪の本拠地ヤンマースタジアム長居の場内/場外売場、当日チケット販売などに「PayPay」を導入したって内容です。

(出典:Twitter | Twitter)

売店での長い行列などについて、ストレスを感じていたファンは少なくないはず。“ホットドックまだかよぉ~。試合始まっちまうじゃねぇかよぉ~”みたいに。こういったファンのストレス軽減はスタジアム内外での観戦体験を大きく向上させます。その期待感によって、ファンの興味・関心を強く引く施策であったのだと思います。

2-3. 【3位】「2020リミテッドユニフォーム」着用と販売のお知らせ[2020年7月6日]

3位にはPUMAがランクインです。こちらはPUMAが川崎フロンターレと実施した取り組みです。

(出典:Twitter | Twitter

内容としては限定ユニフォームの発表ですね。2020年8月8日、8月19日(水)、8月29日(土)の3試合限定で着用されるユニフォームについてでございました。

ユニフォームはチームカラーやイメージを大きく左右するのもあり、やはりファンの関心が大きいということが分かりますね。

あと確実に言えることは、谷口彰悟選手、相変わらずイケメンですね(左から3番目)。

2-4. 【2位】「DAZN年間視聴パス」販売のお知らせ[2019年12月12日]

2位に輝いたのはDAZNの取り組みです。お相手はまたしてもセレッソ大阪

(出典:Twitter | Twitter)

内容としてはDAZNの年間視聴パスを販売するという取り組みです。加入者は通常のDAZN会員よりも安く視聴でき、セレッソ大阪のグッズクーポンも手に入るということから注目を集めたようです。

さらに、この年間視聴パスの売上の一部はセレッソにも還元されるという、ファンからしたらチームの応援もできるという仕組みも導入されていました。(出典:Cerezo Osaka | 【再掲】「DAZN年間視聴パス」販売のお知らせ)  DAZNはJリーグに12年で2,200億円以上の放映権を支払うという契約をしていますが、このセレッソへの還元はプラスアルファのレベニュー・シェアです。視聴サービスとしてもお得&チーム経営にも貢献できるという仕組みがファンの強い関心を生み出したのではないでしょうか。

(出典:Cerezo Osaka | 【再掲】「DAZN年間視聴パス」販売のお知らせ)

2-5. 【1位】2020シーズン新ユニフォーム デザイン決定のお知らせ[2019年12月14日]

見事、興味スコアランキング1位に輝いたのは、2020シーズンを4位で終えたセレッソ大阪PUMAと行った取り組みです。またしてもセレッソ、そしてPUMA!! そして、またしてもユニフォーム!

(出典:Twitter | Twitter

内容としては2020シーズンのセレッソの新ユニフォームの発表となります。チームカラーのピンクを基調に胸にはデカデカとYANMARの文字。デザイン的にはかなりイケてますね。

公式オンラインショップで先行予約したファンは「オンラインショップファミリーセール」への招待がなされたらしいです。加えて、2020年まで営業していた大阪・南港ATCのセレッソ大阪メガストアで先行予約したファンには限定ノベルティなんかがプレゼントされたとのことです。(出典:セレッソ大阪 | 2020シーズン新ユニフォーム デザイン決定のお知らせ

2-6. 【まとめ】興味スコアランキングTop5

以上が、国内で競技種目をサッカーに絞った場合の取り組みTop5でございました。こうやって興味スコアランキングでみると、どれが社会的な注目を集めた取り組みなのかがおわかりいただけるかと。

結果として1位・2位・4位にセレッソ大阪、3位・5位に川崎フロンターレのスポンサー企業との取組がランクインしました。セレッソはJ1リーグでの成績は4位と惜しい結果にはなりました。しかし、SNS上でのファンの注目を企業と共に集めるという意味では大きな成果を残したと言えそうです。

また、2020年のJ1リーグで優勝したフロンターレも、その強さに見合った人気・SNSでの注目を集めていることが分かりました。

セレッソ、フロンターレのファンは特にSNS上でチームの発表を逐一チェックし、「いいね」とかリツイートをする人が多いのかもしれません。

それと、PUMAのユニフォーム関連の取り組みが1位・3位にランクインしたことから、ユニフォームの存在感・ファンの注目の大きさが目立ちました。加えて、DAZN、Paypay、ラゾーナ川崎の取り組みについても、単なるギフティング等を超え、ファンの心情やニーズに寄り添ったものでしたね。こういった“ファンへの共感+実益”が上位にランクインするための重要な要素なのかもしれないっす。

3. おわりに

以上、SNSで注目度の高かった2020年J1リーグ順位トップ5チームとのスポンサー事例でございました。次はバスケ(Bリーグ)のランキング記事を書いてみる予定です。

もし「このシステム興味あるなぁ」って方がいましたらご連絡いただければ幸いです。まだまだ開発段階ですが、毎日夜なべしてその精度と使いやすさをアゲアゲしています。

「スポンサー事例集めるのだるいわぁ」

「あの競技で成果が見込めるスポンサー事例を手早く知りたいわ」

「この業界、国内競合、あの海外企業の取組がサクッと知りたいわ」

と思う方には便利なデータベースに仕上がりつつあるので、ぜひぜひお気軽にお問い合わせください。

これからも引き続きスポーツチームと企業のビジネスとしての関係構築に役立つ情報を発信していきます。Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いいたします!