次の記事ネタを探しながら、“どの事例が良かろうか?”と一日に16回ぐらいは悶々とするサセです。

ワタシは次の記事ネタを弊社の事例データベースを使って探しています。実はSPOVAでは毎日せっせと国内外のスポンサーアクティベーション事例を調査、ストックしています。2003年くらいから直近まで約2万件以上の事例を社内データベースに溜め込んでいます。

我々はこのデータベースを使って、

「どんなスポンサーアクティベーションの効果が大きかったか?」

「海外のスポーツ先進国では企業がどのようなスポーツの使い方をしているか?」

「スポンサー企業の業種、スポーツ競技、地域といった分類ごとに、スポンサーの取組に特徴はあるのか?」

「A企業と、競合のB企業のスポンサー事例を比べると、SNSでの反響の違いはあるのか?」

などの分析を行っています。

これまでのこのデータベースを使って探した事例で何本かの記事をお送りしてきました。そしてその多くがサッカー関連の事例に偏ってました。

というわけで今回はサッカー以外のスポーツとして、バスケに関する事例をDBから引っこ抜いて書いていきたいと思います。

具体的にはB1リーグのチームがスポンサー企業と行った取り組みを、その注目度(≒SNS上での反響)でランキングしてみたいと思います。

いったい全体、どのスポンサー企業がどのBリーグチームと行った事例が社会的に大きな注目を集めて、バズったんでしょうか?

安西先生、バスケの記事が書きたいです。

1. SPOVA DB(データベース)とはなんぞ?

注目度(≒SNSでの反響)の大きかったスポンサー取組事例(B1リーグ編)をご紹介する前に、このデータベースについてちょろっと説明しておきます。

このデータベースの機能をカンタンに表現すると、「国内外のスポンサー事例を集約、分析したシステム」です。名付けて(仮)SPOVA DB(データベース)。現時点で、名前は仮称です。もしかしたら「名前だっせぇ」と思った方がいらっしゃるかと思います。繰り返します。名前は仮称です。それに現状は社内システムなんす。

ところで、みなさんも過去にこんなこと思ったことないでしょうか。

「あの会社はどのチームにスポンサーして、どんなことやってんの?」

「海外の有名クラブはどんなスポンサー企業を獲得してんの?」

でも同時にこうも思ったのではないでしょうか。

「スポンサー事例を探して分析すんのだるいわぁ…」

我々のSPOVA DBはそんな作業をラクにするために社内用に開発したデータベースです。

下の図はシステムのトップページです。上段には国内、下段には海外事例が並べられ、最新スポンサー事例を一覧で見ることができます。

そしてこの2万件以上の国内・海外事例を「企業・業界」「コンテンツホルダー(スポーツチーム・団体など)」視点で分析することができます。

要はこういうことです。企業・業界分析では、業界や企業別にスポンサーしているスポーツチームを見ることができます。企業・業界別にどのスポーツチーム・団体にスポンサーしているか?がわかります。

具体的にはってことで、ちょっと前に海外の情報・通信業界での企業・業界分析の記事をお出ししましたので、気になる方はポチッと願います。

逆にコンテンツホルダー分析では競技種目とそのスポーツチーム別に獲得しているスポンサーを見ることができます。競技・スポーツチーム・団体別にどんなスポンサーを獲得しているか?で事例を抽出できるってわけです。

加えて、事例の効果(SNS反響、売上・営業利益への影響)を起点に分析できるページもあったりします。

今回の記事では「コンテンツホルダー分析」に絞ってご紹介します。

1-1. コンテンツホルダー分析で何ができる?

繰り返しますが、コンテンツホルダー分析では、競技種目やスポーツチーム別にどんなスポンサーとどんなことをしているか?を見ることができます。コンテンツホルダー分析という文字の下にある「国内」ボタンをポチっとすると以下の画面に遷移します。

ここでは競技種目・スポーツチーム別にスポンサー事例を絞ることができます。例えばBリーグチームで絞る場合はこんなかんじです↓。

例えば2019-20シーズンの東地区チャンピオン アルバルク東京で絞ってみます。するとこんなふうに表示されます。アルバルク東京がどんなスポンサーとパートナーシップを結んでいるのか、が上段に。下段にはそれに紐づく事例が一覧で並ぶっちゅうわけですね。

スポーツチームよりももう少し大きい単位の競技種目で絞る場合はこんなかんじでフィルタリングできます。現時点ではサッカー、バスケのみですが、将来的に野球、ラグビー、卓球などを追加していく予定です。

また、データベースはまだまだ開発段階っちゅうことで、JPBLやBリーグなどの協会・リーグのスポンサー事例はカバーできておらず、各チームの情報になってます。でもでも、順次追加していく予定であります。

1-2. 社会の注目度を表す興味スコア

下段に表示されるスポンサー事例ですが、表示される順番は日付が新しいものから、というわけではありません。表示順を決めるのは下段の右にある興味スコアなるものです。

これは各記事の発信元SNSアカウントが投稿した当該記事に対して、どれだけエンゲージメント(コメント、リツイート、いいね)があったか、で算出しています。各エンゲージメント指標はその重要度に応じ、統計学的に妥当と考えられる調整をしてスコア化しています。

ごちゃこちゃと難しく語りましたが、要は“どんだけSNS上で反響があったか”を測る指標ってわけです。正直なところ、スポンサー事例は山ほどあります。海外までその範囲を広げればその数は膨大なものになります。そしてその多くは世間からまったく注目されない事例だったりします。そういった事例を見るよりも、社会的な注目を集めた事例を上から表示できる。それが興味スコアってわけです。

ここまで説明したことと同じようなことが海外のコンテンツホルダーについてもできます。↓にあるように海外のスポンサー事例を競技種目、スポーツチーム(リーグ、団体)で絞り込むことができるってわけであります。

ざっと見ていただければわかりますが、プレミアリーグ、NBA、MLS、フォーミュラ1なんかが並んでますね。これらの団体ごとにどんな会社とパートナーシップを結んでいるのかがわかるのがSPOVA DB(データベース)ってわけです。

2. 興味スコアTop5スポンサー事例(B1リーグ編)

ここまででSPOVA DB(データベース)のコンテンツホルダー分析について「ほぅ。こんなシステム持っとんか」とご感心いただければこれ幸いでございます。

ではではここからが本題である、2019-20年シーズンのB1リーグのチームに対象を絞って、興味スコアの高かったスポンサー事例Top5を見ていきます。

以下の5つが興味スコアTop5の事例となります。

2-1. 【5位】NTTドコモとの資本業務提携 およびオフィシャルスポンサー契約締結のお知らせ[2020年6月29日]

まずは5位から。こちらはNTTドコモ川崎ブレイブサンダースと資本業務提携&オフィシャルスポンサー契約を締結したってお話です。

(出典:Twitter | Twitter

この契約は、①プロバスケットボールにおけるエンターテインメント性の強化、②新アリーナ構想の共同検討、③川崎ブレイブサンダースの財政基盤の強化を3つの柱としています。

川崎ブレイブサンダースはEXCITING BASKET PARK計画なるものを進めています。カンタンに言うとアリーナ内・周辺のエンターティメント性を極限まで高める計画ですね。NTTドコモが持つアセットといえば、5Gなどの通信技術です。おそらくこの計画にドコモの先端技術を導入し、アリーナを熱狂空間にしていくものと思います。

過去取り上げた「【Jリーグ・サービス業編】スポンサー施策SNS反響ランキングTop5」でも、ノエビアスタジアム神戸の完全キャッシュレス化が第2位に入りました。観戦体験の向上はやはりファンの注目度・反響が大きいということが分かりますね。(該当記事は以下からお読み頂けます)

(出典:川崎ブレイブサンダース | EXCITING BASKET PARK計画

2-2. 【4位】沖縄ファミリーマート限定!オリオンビール琉球ゴールデンキングスデザイン缶登場![2019年12月9日]

4位に食い込んだのはオリオンビール沖縄ファミリーマート琉球ゴールデンキングスと実施した取り組みです。下のツイートを見ると、滋賀県在住&滋賀レイクスターズファンと思しき人も反応していますね。

(出典:Twitter | Twitter)

内容としては、琉球ゴールデンキングスのオフィシャルパートナーのオリオンビールがチームロゴを使用したオリオンビールを限定製造。それを同じくオフィシャルパートナーの沖縄ファミリーマートが独占限定販売するというものです。購入レシートで観戦チケット等が当たるキャンペーンも同時に展開されています。

沖縄に行くとわかるのですが、お土産店とかでオリオンビールの関連グッズがけっこう売っています。ボールペンやらエコバッグやら。そして、そのどれもがおしゃれでカワイイんですよね。で、この琉球ゴールデンキングスのロゴをあしらった缶も上のツイートにあるように、デザイン的にイケてますよね。そんなことからSNS上での反響が大きかったのかもしれないですね。

2-3. 【3位】2019-20 シーズン クラブライセンス 第 2 回判定結果(B1ライセンス交付)について[2019年4月9日]

3位には滋賀県滋賀レイクスターズの取り組みがランクインです。

(出典:Twitter | Twitter

Bリーグに参戦するには、当然ながらB1もしくはB2ライセンスが必要になります。実は滋賀レイクスターズはB1ライセンス交付をめぐって、財務面、施設面の2点から「継続審議」という判定を受けていました。

しかし第2回判定では、滋賀県が整備したびわこ文化公園都市内の施設を使用することで、施設面の条件をクリアしB1ライセンスの発行が許可されました(財務面も同時にクリア)。(出典:滋賀レイクスターズ | 2019-20シーズンクラブライセンス第2回判定結果(B1ライセンス交付)について

ちなみに滋賀県は滋賀レイクスターズのオフィシャルパートナーとして名を連ねています。

(出典:滋賀レイクスターズ | 滋賀レイクスターズHP

2-4. 【2位】レバンガ北海道ヘッドコーチ、内海知秀氏就任会見実施のご報告[2018年12月6日]

2位は、札幌大学レバンガ北海道と実施した取り組みです。札幌大学で客員教授&バスケ部HCをしていた内海知秀氏が、レバンガ北海道のヘッドコーチに就任した、というものです。

内海知秀氏はバスケの名門 能代工業から日本体育大学に進学。その後、アテネ&リオ五輪で日本女子代表のヘッドコーチを務めるなど、日本有数のバスケットボール指導者です。

(出典:Twitter | Twitter)

ちなみに札幌大学はレバンガ北海道とバスケやスポーツの発展・普及を目指した連携協定を結んでいます。チームにスポンサー金を払うという従来型の契約ではなく、互いのノウハウやアセットを共有し合うパートナーシップ契約ですね。(出典:札幌大学 | レバンガ北海道との連携協定調印式を実施しました)

2-5. 【1位】アディダス presents アルバルク東京3RDユニフォームデー開催記念SNSキャンペーン[2020年2月3日]

見事、1位にランクインしたのはみんな大好きアディダスアルバルク東京と実施した取り組みです。

アルバルク東京は白と黒をベースとしたユニフォームを使用していました。選手たちはホームゲームでは黒、アウェイゲームでは白をベースとしたユニフォームを着用していました。

しかし、2020年2月8日、オフィシャルサプライヤーであるアディダスが冠スポンサーとなりADIDAS SPECIAL DAYSが開催されることになりました。この試合で着用するために、第3のユニフォームとして真っ赤なサードユニフォームが発表されました。

アルバルクと言えば黒と白のユニと思ってたファンにとって、赤いユニフォームを着て躍動する選手たちの姿は新鮮に写ったのかもしれないですね。というわけでアディダスがアルバルク東京と実施した新ユニフォーム絡みの施策が1位に輝きました。

2-6. 【まとめ】興味スコアランキングTop5

以上が、Bリーグに絞った場合のスポンサー事例Top5でございました。こうやって興味スコアランキングでみると、どれが社会的な注目を集めた取り組みなのかがおわかりいただけるかと。

1位になったアディダスとアルバルク東京の事例はユニフォームでしたね。ちょいと前に出したJリーグ編でもユニフォーム関連の発表は大きな関心を集めていました。もしかしたら、ユニフォーム関連の発表は社会的反響が大きいため、スポーツチームはそのやり方についてより戦略的になる必要があるかもしれません。

2位、3位には大学と県が入っていました。今後の少子高齢化を考えると大学間競争は激化します。おそらく消滅する大学も出てくるはずです。また日本の人口は減り続けているため、都道府県間で人口の取り合いという競争も発生します。

そんな中、スポーツチームを使って知名度とか大学&その土地の魅力を広めるなんてこともアリかもしれないですね。

3. おわりに

以上、SNSで注目度の高かった2019-20シーズンB1リーグのスポンサー事例Top5でございました。

もし「このシステム興味あるなぁ」って方がいましたらご連絡いただければ幸いです。まだまだ開発段階ですが、毎日夜なべしてその精度と使いやすさをアゲアゲしています。

「スポンサー事例集めるのだるいわぁ」

「あの競技で成果が見込めるスポンサー事例を手早く知りたいわ」

「この業界、国内競合、あの海外企業の取組がサクッと知りたいわ」

と思う方には便利なデータベースに仕上がりつつあるので、ぜひぜひお気軽にお問い合わせください。

これからも引き続きスポーツチームと企業のビジネスとしての関係構築に役立つ情報を発信していきます。Twitter・Facebookのフォローもどうぞよろしくお願いいたします。