皆さん、フィルムコミッションという言葉聞いたことがありますか?

今回の記事ではフィルムコミッションについてその歴史から業務内容、成功事例まで解説させていただきたいと思います。

一見、スポーツとは全く関係なさそうですが…実は…?今回も最後までお付き合いいただけますと幸いです。

1.フィルムコミッションって?

フィルムコミッションとは、映画、テレビドラマ、CMなどのロケーション撮影を誘致し、撮影がスムーズに進行するようサポートする非営利公的機関。多くは自治体が中心となって組織化しているそうです。(出典:ジャパン・フィルムコミッション | 概要

フィルムコミッションは、国内外のロケーション誘致・支援活動の窓口として地域の経済、観光、文化振興に効果があるとされ、地域活性化策の1つとして注目されています。(出典:ジャパン・フィルムコミッション | 概要、JTB総合研究所 | フィルムコミッション

2.フィルムコミッションの歴史

フィルムコミッションの歴史は結構長いです。

フィルムコミッションはコンテンツ産業大国・アメリカが発祥で、最初のフィルムコミッションが設立されたのは1940 年後半。フィルムコミッションには 約80年 の歴史があるんですね。(出典:日本政策投資銀行 | 米国で広がる映像製作に対する公的支援-フィルム・コミッションとタックス・クレジット-~「支援措置」自体が取引の対象に~

日本では、広島県尾道市がフィルムコミッションの先駆けと評価されることが多いのだそうです。大林宣彦監督が1980年代に、「尾道三部作」と呼ばれる3作品を故郷・尾道で多くの地元賛同者の協力を得て撮影したからという経緯があるみたいです。日本でもフィルムコミッションは 約40年 と割と長い歴史があるんですね。(出典:内閣府 | 第3章 第5節 ケーススタディ1:「映画の街」尾道

(出典:JOKER Movie | 尾道三部作(時をかける少女/さびしんぼう/転校生の大林宣彦監督作品)のフル動画を無料視聴する方法は?

3.どんな組織があるの?

約80年の歴史がありますから、現在世界中にフィルムコミッションは数多く存在します。そしてそれをまとめる団体も存在しています。

3-1.世界的には

全世界のフィルムコミッションが集まる団体として、 国際フィルムコミッション協会(AFCI)があります。AFCIは1975年に設立されました。

AFCIはスポーツでいう、国際サッカー連盟(FIFA)や国際バスケットボール連盟(FIBA)などのような”統括”団体ではありません。世界中のフィルムコミッションを”繋ぐ”ネットワークとして存在している団体なのだそうです。(出典:日本政策投資銀行 | 米国で広がる映像製作に対する公的支援-フィルム・コミッションとタックス・クレジット-~「支援措置」自体が取引の対象に~、AFCI | ABOUT US

3-2.日本には

日本は全国のフィルムコミッションを統括する ジャパン・フィルムコミッションという団体が存在します。会員になっている団体(=フィルムコミッション)の数は全国に114団体もあります。(出典:ジャパン・フィルムコミッション | 概要

3-2-1.ジャパン・フィルムコミッションが定めるフィルムコミッションの要件

ジャパン・フィルムコミッションは、フィルムコミッションに必要な3要件を定めています。
日本でフィルムコミッションを運営しようと思ったら、以下3つは最低限満たす必要があるようです。(出典:ジャパン・フィルムコミッション | 概要

(1)非営利公的機関であること
自治体や外郭団体、NPOや商工会であっても無償で制作支援を行い、撮影隊と金銭の授受を行わない関係を保つため、資金援助やタイアップ協力をしてはいけません。

(2)撮影のためのワンストップサービスを提供していること
撮影に関する一元的な窓口を担い、ロケーション情報の提供や、公的施設等を利用する際の、許認可調整を行う必要があります。

(3)作品内容を問わないこと
全ての依頼作品を支援し、撮影の内容や規模によって優遇・拒否することはできません。
それは作品の内容をフィルムコミッションが評価することになってしまうからです。優遇されることを狙ったり、拒否されることを恐れることにより作品内容が左右されるようになれば、映画にとって最も大切な「表現の自由」を制約することになりかねません。ただし、ロケ地の使用については管理者によって断られることはあります。

4.フィルムコミッションって具体的にどんなことしているの?

フィルムコミッションとは、映画、テレビドラマ、CMなどのロケーション撮影を誘致し、撮影がスムーズに進行するようサポートする団体だということは冒頭でお伝えしました。

しかし、イマイチそれだけではフィルムコミッションがどんなことをしているのか具体的にイメージすることができないですよね。下の図はフィルムコミッションが行うサポートの1例です。

(出典:J-GLOBAL | フィルムコミッションによる地域活性化に関する考察 より作成)

フィルムコミッションは、ロケ地の提案、撮影の許可申請などのロケ誘致活動に加え、撮影支援やまちづくりへの活用も行っています。

撮影支援の内容は非常に多岐に渡るようで、ロケ弁や宿泊施設の手配や即座に地域住民がエキストラに参加できる仕組みを構築している団体もあるようです。

まちづくりへの活用は、映像を見た人が「ロケに使われたところに行ってみたい」といういわゆる”聖地巡礼”をするためのロケ地マップづくりや、観光ツアーの造成などを行っているのだそうです。(出典:J-GLOBAL | フィルムコミッションによる地域活性化に関する考察

5.フィルムコミッション成功事例

そんな日本におけるフィルムコミッションが地方経済に大きく寄与した成功事例を2つほどご紹介します。

5-1.湘南藤沢フィルム・コミッション

1つ目は湘南藤沢フィルム・コミッションの事例です。こちらのフィルムコミッションは2002年に藤沢市役所経済部観光課内に設置されました。(出典:湘南藤沢フィルム・コミッション | 湘南藤沢フィルム・コミッション概要

湘南藤沢エリアはなんとなく、頻繁にロケ地として使われているなぁというイメージがあるのではないでしょうか。ここ数年の撮影実績を見てみると、有名どころの映画・ドラマ・バラエティのロケ地として多く使われています。

興行収入 44億6000万円、観客動員数334万人の大ヒット映画である「東京リベンジャーズ」や、

(出典:ciatr | 実写映画『東京リベンジャーズ』のキャストが豪華すぎ!あらすじと感想もネタバレ解説

フジテレビの人気ドラマ枠である月9のドラマ「ナイトドクター」などのロケ地として使われたそうです。(出典:日経XTREND | 『東京リベンジャーズ』のSNS戦略 TikTok活用し興収44億超え

(出典:フジテレビ

少し古いですが2014年の観光庁のロケツーリズム連絡会の調査によると、湘南藤沢フィルム・コミッションは2002年~2012年まで年平均150件のロケ支援実績がありました。その結果、2012年の藤沢市の観光客は約1500万人となり10年前の 約1.8倍に増加、直接効果で約3,500万円、テレビCM広告料に換算した間接効果で約54億円の経済効果があったのだそうです。(出典:ロケツーリズム連絡会 | ロケツーリズム事例集

地域への経済効果が大きいこともあり、こちらは素晴らしい成功事例の1つだと言えるでしょう。

5-2.佐賀県フィルムコミッション

2つ目は佐賀県フィルムコミッションの事例です。

佐賀県フィルムコミッションは、2014年2月に公開されたタイ映画の「タイムライン」という作品のロケを誘致。その映画は大ヒットしました。

その結果、2013年に370人泊だったタイ人の宿泊観光客数が、2014年には2013年の約4倍の1,540人泊、2016年には約15倍の5,830人泊にまで急増したそうです。(出典:日本政府観光局 | 佐賀県フィルムコミッションの成功が生んだ、地元住民のタイ人観光客への意識変革、Press Walker | 【2022年最新】訪日タイ人観光客を呼び込む

映画のロケ地目当てをきっかけにインバウンド観光客を急増させた成功事例ですね。

6.フィルムコミッションとスポーツコミッション

ここからはフィルムコミッションとスポーツの意外な関係をご紹介したいと思います。

実はスポーツコミッションは、 フィルムコミッションを参考にして作られたんです。

1980年ごろから日本で設立の動きが始まったフィルムコミッションは先程紹介した通り、地域振興や観光振興に大きな効果が全国各地でありました。その成功を参考にスポーツを起点に観光促進しようということで、スポーツコミッションの設立が検討され始めたようです。(出典:観光庁 | 第1回スポーツ・ツーリズム推進連絡会議を開催しました!

2010年ごろはまだスポーツコミッションの設立は検討段階でしたが、2012年ごろから各地でスポーツコミッション設立が始まりました。2021年10月現在で、日本全国に177の地域スポーツコミッションが確認されています。(出典:スポーツ庁 | 【担い手】「地域スポーツコミッション」の設立・活動の支援(スポーツツーリズム関連)スポーツを通じた地域活性化に向けて 、観光庁 | 第1回スポーツ・ツーリズム推進連絡会議を開催しました!

そんなスポーツコミッションの事例を詳しく知りたい方は↓の記事をご一読ください。
沖縄の事例を紹介しております。

また、スポーツを起点に地方創生をした事例も↓の記事で紹介しています。スポーツコミッションとは別の観点で国内・海外事例を掘り下げていますので、気になる方はぜひポチッとしてみてください。