今回の記事は、みなさんもよく耳にしていらっしゃるであろう”ジェネレーションZ“について解説していきます。

1. ジェネレーションZって?

ジェネレーションZとは、1997年から2012年の間に生まれた世代のことを指す言葉です。(あくまで様々な定義があるうちの1つです)Z世代なんて呼ばれ方もしています。(出典:Pew Research Center | Defining generations: Where Millennials end and Generation Z begins

アメリカでは以下のように世代を分類しています。ジェネレーションZは現在10歳~25歳の若者で、社会でいうと小学生~社会人になりたての人たちって感じです。

(出典:Pew Research Center | Defining generations: Where Millennials end and Generation Z begins より作成)

他にもジェネレーションYやらブーマー世代やら色々な単語がならんでいますが、それはまた今後の記事で紹介させていただきます。

2. ジェネレーションZの特徴

ここからは、そんなジェネレーションZの主な特徴を見ていきましょう。

2-1. ゴリゴリのSNS世代

ジェネレーションZ世代の特徴の1つとしてまず挙げられるのが、ゴリゴリのSNS世代ということ。

それもそのはずで、彼らは生まれたときからSNSやらスマホやらウェアラブル端末などに囲まれています。

SNSを見てみると、日本においてSNSというものを世に知らしめた存在ともいえるSNS・mixiがスタートしたのは2004年。TwitterとFacebookはともに2008年に日本語でのサービスを開始しています。ジェネレーションZに含まれる最年長の1997年生まれの人たちでも、小学生の頃にはSNSが当たり前にある社会になっていたということです。 (出典:CNET Japan | なぜmixiはこれほど成功したのか–笠原社長が明かす開発秘話、Twitter | Twitter for Japan、ツギノシダイ | 【5月19日は何の日】14年前、Facebook日本版のサービス開始、SPOVA | 【IT企業とスポーツ】ミクシィが狙う日本スポーツ界の大変革(前編)

端末に関しては、ジェネレーションZは生まれたときから携帯電話が普及している世代です。ジェネレーションZに含まれる最年長の人たちが1歳の時(1998年)には、国民の約3分の1が携帯を日常的に使っているような社会になっていました。(出典:総務省 | 携帯電話の登場・普及とコミュニケーションの変化、e-Stat | 統計表・グラフ表示

(出典:総務省 | 携帯電話の登場・普及とコミュニケーションの変化

さらに、Apple社が初代iphoneを発表したのは2007年。ジェネレーションZ最年長の彼らは10歳の時だったということでスマートフォンがある社会というのが当たり前な世代というわけです。(出典:INSIDER | It’s been over 12 years since the iPhone debuted — look how primitive the first one seems today

2-2. 環境問題への意識が高い

ジェネレーションZは、環境問題への意識が高いという特徴もあります。

前述の通り、ジェネレーションZはゴリゴリのSNS世代ということで世界中の環境問題に関する情報に簡単に触れることができます。この状況によってジェネレーションZ世代の環境に対する当事者意識が高いのではないかということや、彼ら自身が小さい頃から異常気象を日々体感している世代ということも環境問題への意識が高い背景だと思われます。

この特徴は、彼らの購買行動にも影響が出ています。世界経済フォーラムによると、ジェネレーションZの75%が何かを買う際に、ブランドよりも環境にいいかどうかの方が重要と答えています。(出典:World Economic Forum | Gen Z cares about sustainability more than anyone else – and is starting to make others feel the same

ジェネレーションZは消費者としてだけでなく社会人として働く会社を選ぶ際も、環境問題に取り組んでいる企業かどうかというのを重要視しているのだそうです。企業がジェネレーションZからの支持を獲得するためには環境問題への取り組みが重要であると言えそうですね。(出典:CNBC | The environment is Gen Z’s No. 1 concern – and some companies are taking advantage of that

2-3. 多様性を大切にする

ジェネレーションZは、他の世代の人々よりも多様性を大切にするという特徴があります。(出典:Pew Research Center | On the Cusp of Adulthood and Facing an Uncertain Future: What We Know About Gen Z So Far

実際に、BIGLOBEが実施した「Z世代の意識調査」によると、全国の18歳~25歳の男女のうち8割が「多様性は大切だと思う」と答えています。(出典:BIGLOBE | お知らせBIGLOBE「多様性は大切だと思う」 8割、「人と競争するのが苦手」7割BIGLOBEが「Z世代の意識調査」第1弾(価値観・行動編)を発表~「SDGsに配慮した商品を買いたいと思う」5割超~

この特徴についても、SNSによって様々なバックグラウンドの人々の考え方や価値観に簡単に触れることができるということが背景にあるのだと思われます。また、黒人初のアメリカ大統領の誕生や、同性婚合法化など多様性に対する世界中のめまぐるしい動きを小さな頃から見てきている世代です。だからこそ自然と多様性を大切にする考え方になっているのかもしれないですね。(出典:HISTORY | Barack Obama elected as America’s first Black president、USA Today | When was same-sex marriage legalized? A quick history of an LGBTQ rights battle in the U.S.

3. ジェネレーションZへのスポーツマーケティング事例

そんなSNS世代の彼らにアプローチする手段としてスポーツを活用した事例が結構あります。

3-1. SNS世代という特徴を利用して

ペプシコはジェネレーションZにリーチするため、NFLとの取り組みにてSNSを使い、成功しています。

三井住友銀行とサッポロビールはそれぞれジェネレーションZにアプローチするためにeスポーツを活用しています。

3-2. 環境問題への意識が高いという特徴を利用して

最近は、スポーツ団体もジェネレーションZからの人気を得るため環境問題に取り組んでいたりします。

例えば、電気自動車界のF1であるFormula Eという大会。こちらの大会は若年層のファンの獲得のため様々な施策を講じており、そのうちの1つとして環境問題への取り組みを積極的に行っています。

3-3. 多様性を大切にするという特徴を利用して

マイクロソフトはeスポーツを使って多様性に着目した商品開発・プロモーションを行っています。

ANAやNIKE、参天製薬

イギリスのIT企業などはパラアスリートへの支援を行っています。

4. ジェネレーションZのこれから

ジェネレーションZの重要度はこれからますます高まっていくことが予想されます。

2022年時点で世界の人口におけるジェネレーションZの割合は26%。しかも、彼らはこれから就職したり、会社で重要なポジションを任せられ始める人も出てくるでしょう。これからの社会を担う世代になりつつあります。自分の好きなものを自分で買えるようになってきますし、大きな買い物が増えてくるなど、消費者として今後の経済を動かしていく世代ということもあり企業から重要視されています。(出典:EarthWeb | GEN Z STATISTICS 2022: HOW MANY PEOPLE ARE IN GEN Z?、Deloitte | Welcome to Generation Z

日本においては少子高齢化の影響もあり、ジェネレーションZの割合は約14%となっています。しかし、依然として経済活動の主体となってくる世代として注目されていることに変わりはないでしょう。(出典:d’s journal | Z世代の特徴は?ミレニアル世代と何が違う?働き方や仕事観についてわかりやすく解説

今後もジェネレーションZを狙ったスポーツマーケティング事例などを紹介していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!