全国的になかなかコロナ感染者が減らない状況が続いていますね。おうち時間を皆さんはどのように過ごしていますか?任天堂がコロナ禍に発売した「あつもり」。めちゃめちゃ流行りましたよね。ワタシはあのゲームのことを「どうもり」と呼び、DSでプレーしていた世代なので、「あつもり」ってなんやねん!と世代ギャップに足がすくんでいます。

今回はゲームと深い繋がりのある、eスポーツについてお話ししたいと思います。

今までeスポーツに関する記事をいくつか出してきました。例えば日本企業がeスポーツチームと共にジェネレーションZ世代との関係構築を図ったって事例。また、マッチングアプリの会社がeスポーツを使って女性ユーザーの獲得・利用率向上を図り、業界1位を追随した話などがありました。

今回の記事はそんな世界のeスポーツ事情を俯瞰しつつ、さらに特徴的なeスポーツの活用事例を取り上げたいと思います。(日本のeスポーツ事情の全体像や、特徴的な取組についてはまた別の記事で取り上げたいと思いますので、乞うご期待!)

なお今回の記事は、スーパーマリオブラザーズで一度もボスを倒せたことがないマルタがお送りします。

1. 世界のeスポーツ市場概況:どのくらい人気?市場規模はどのくらい?

1-1. 世界でeスポーツはどのくらい人気?

まずは、世界でeスポーツが経済規模としてどんなもんなのか見ていきましょう。まずはeスポーツの市場規模から。下のグラフによれば、2020時点での市場規模は世界で11億10万ドル(約1,155億円)となっています。ここでいう市場規模とは、各地で開かれるeスポーツ大会・リーグの広告収入、グッズ収入、放映権収入、入場料収入などの合算値です。3年後には15億5670万ドル(約1,634億円)に成長するとあり、2018年からの5年で約2倍に膨れ上がると予測されています。バルサやレアルマドリードでおなじみのラ・リーガの売上規模がだいたい4,000億円です。なので、現状はeスポーツはこのラ・リーガの1/4程度の市場規模にまで成長中ってことです。(出典:REALSPORTS |[世界のリーグ売上ランキング]1兆円超え達成の2リーグはどこ? 日本と桁違いの売上額

ファンの数も世界中で絶賛増加中です。下のグラフはeスポーツ観戦者の推移を表しています。カジュアルな視聴者(Occasional Viewer)も含めると、2019年から2020年にかけて4.5憶人4.9億人5千万人も増加しています。たった1年で日本の人口の約半分ぐらいの観戦者が増えているなんて他のスポーツではなかなかないことです。今後もこの増加傾向は続くと見込まれ、2022年には6.5億人にまで増えると予想されています。

(出典:newzoo | Global esports market reports より作成)

世界規模でとにかく人気拡大中なeスポーツ。読者の皆さんの多くは日本に住んでらっしゃると思います。このeスポーツの活況ぶりは日本ではなかなか感じられないかもしれません。それもそのはずで、世界のeスポーツ市場規模ランキングによると、1位中国、2位北米、3位西欧となっています。それぞれの市場規模は中国3億8,510万ドル、北米2億5,250万ドル、ヨーロッパ2億1,20万ドルです。世界eスポーツ市場は約11億ドルだったので70%以上はこの3地域によって占められていることが分かります。(出典:Newzoo | 2020グローバルeスポーツマーケットレポート

1-2. 世界eスポーツ市場の内訳

こんな絶賛成長中のeスポーツ市場における内訳比率はどうなっているのでしょうか。下のグラフは世界のeスポーツ市場の収益源を表したものです。メディア権、グッズ&チケットやパブリッシャー提供資金などが収入源になっています。中でもスポンサーシップ収益が最も大きく、全体の57.9%を占めます。その収益規模は2019年の5億4350万ドル(約570億円)から2020年には前年比+17.2%の6億3690万ドル(約660億円)に増加し、今後もさらに成長する見通しです。(出典:Newzoo | 2020グローバルeスポーツマーケットレポート 

(出典:Newzoo | 2020グローバルeスポーツマーケットレポート より作成)

1-3. 海外ではどんな企業がeスポーツにスポンサーしてるの?

ここまでで、世界のeスポーツ市場はスポンサー収益によって支えられている割合が大きいってことがおわかりいただけたかと。では、そのeスポーツチームやら大会はどのような企業が運営しているのでしょうか。下の一覧は、Forbesが発表した“世界で最も価値のあるeスポーツ企業”ランキングTop10です。ランキングは、過去のチーム売買取引価格、CF成長性・収益性などから評価された結果になっています。ここで言う「eスポーツ企業」とは、複数のプロeスポーツチームを抱えており、多くは全体売上の半分以上をeスポーツ収入(大会運営収入・賞金・スポンサー金等)で賄っている企業です。そして、各eスポーツ企業が抱えるプロチームの主戦場となるゲームの種類も様々です(Fortnite、Call of Duty、PUBG、Valorantなど)。

(出典:Forbes | The Most Valuable Esports Companies 2020 より作成)

ではではこのTop10のチームにどんな企業がスポンサーしているのでしょうか。下の円グラフは、弊社がこのTop10のeスポーツチームにスポンサーしている企業を独自調査し、業種別に分類・集計したものです。もっとも多いのはゲームソフト、機器を取り扱うゲーム関連企業です。次にパソコンとか椅子を販売する企業が続きます。このへんは当然といえば当然でeスポーツをプレーする時に使われるパソコンとかゲーミングチェアの会社がスポンサーしているわけですね。

(出典:Forbes | The Most Valuable Esports Companies 2020 、各チームHPより作成)

ただ、よくよく見てみると「ん?」と思うような企業もスポンサーに名を連ねています。例えば「自動車」、「銀行」、「軍事組織」、「大学」、「化粧品」などなど。eスポーツの現場にはなかなか関連性がうすそうな業種がいくつかあります。

なぜeスポーツにスポンサーしているのかなかなか想像しにくいこれらの企業。いったいぜんたい、どんな理由があってeスポーツにスポンサーしているのでしょうか。今回の記事では化粧品、自動車関連の企業の取り組みを簡単にご紹介します。そしてある大学がeスポーツチームと興味深い取り組みをしているので、こちらについて特に深堀りしてご紹介したいと思います。

2. 海外企業eスポーツ活用術

2-1. 化粧品メーカーのスポンサー事例:女性ゲーマーを通じてファンを取り込みたい!

では始めに化粧品メーカーの取り組みです。お話の主役はBenefit Cosmetics。この会社はアメリカ・サンフランシスコ発祥の化粧品ブランドです。日本には未上陸ですが、世界50カ国以上でビジネスを展開しています。

彼らは1976年創業の老舗ブランドですが、1999年にLVMH(ルイ・ヴィトンを基幹ブランドとする世界最大のラグジュアリー企業)に買収されました。2000年代以降はオンラインショッピングの拡充&巧みなソーシャルメディア戦略でミレニアルやZ世代に絶大な支持を受けてます。(出典:BeautyTech.jp | LVMH傘下のBenefit Cosmetics、前年比売上160%は周到なSNS・アプリ戦略から 

パッケージも可愛らしい世界的人気ブランドです。ワタシも海外へ行ったときに爆買いさせて頂きました。パケ買いってやつです。

(出典:Facebook | Benefit Cosmetics)

こんなBenefit Cosmeticsは2020年1月Gen.G Esportsというeスポーツチームとパートナーシップを結びました。(出典:Esports Insider | Gen.G teams with Benefit Cosmetics for content series

Benefit Cosmeticsは、女性ゲーマーたちにベストな“Game Face”を教えるというアクティベーションを実施しました。ゲーマーと呼ばれる人の多くは、大会に参加して戦うだけでなく、ライブストリーミングプラットフォームでプレー動画を配信します。プレー中の自身の顔も観られるわけです。しっかりメイクをして配信する女性ゲーマーが多いのです。そこでBenefit Cosmeticsは美容のプロとして、ゲーム配信にピッタリなメイクを教えました。

このアクティベーションの成果もあってか、2020年1月~2021年1月の1年間でBenefit CosmeticsのInstagramアカウントのフォロワーは約20万人増加し、1,000万人の大台に乗せています。

(出典:NINJALITICS | Analysis: @benefitcosmetics

2-2. 自動車メーカーのスポンサー事例:若者よ、車を買ってくれ

続いては、自動車メーカーのBMWの事例です。いわずと知れたドイツの車メーカーですね。

ここからは、企業の課題なども含めてもう少し深く見ていきます。

BMWが持つ課題は、若い世代、特にジェネレーション Zの車離れです。これはBMWだけでなく自動車メーカー全体が抱える課題と言えます。ジェネレーションZというのは1997~2015年に生まれた人々のことを指します。社会でいうと保育園生から大学を卒業したばかりの若者たちってかんじです。

BMWにとって重要な市場の1つであるアメリカでは16歳の運転免許取得率が1983年の46%⇒2017年には26%

大きく低下。20歳~24歳でも92%⇒約80%まで下がったそうです。 アメリカのジェネレーションZは金融危機の時代に育ち、節約意識が高い傾向にあるため、車などの高額商品の購入に慎重というのが車離れの原因になっているそうです。 (出典:JETRO | ドイツ自動車産業、2019年は出荷台数が増加も今後の市場環境に警戒感 、U.S. Front Line | 若者の車離れが販売に影響~「自由の象徴」の時代終わる) 

ちなみに私もジェネレーションZの端くれですが、車はいらないかぁ、と思っています。上に書いたような高額商品に興味がないというのもあります。加えてカーシェアリングなど車を持たなくてもいいか思うようなサービスが登場してきている、ってのもその理由かと思います。

そんな状況の中、BMWは2020年4月に5つのeスポーツチームとのパートナーシップをスタートしました。BMWとパートナーシップを締結したT1, FunPlus Phoenix, Cloud9, G2 Esports, Fnaticはいずれも世界トップレベルのチームです。例えばLeague of Legendsの世界大会でT1は3度の優勝、FunPlus Phoenixは1度優勝しています。(出典:Red Bull | T1:『リーグ・オブ・レジェンド』史上最強チームのすべて 、 ONE ESPORTS | Get to know League of Legends 2019 World Champions, FunPlus Phoenix)

BMWはこのパートナーシップの目的を「eスポーツは、現在我々BMWに興味のないジェネレーションZにリーチする手段である。彼らが車を買う年齢になったとき、BMWが彼らの頭に浮かぶようになりたい。」と話しています。(出典:DIGIDAY | ‘It will be a big footprint in our marketing’: BMW is pouring money into esports

BMWはチームユニフォームへのロゴ掲載をはじめ、特別デザインの移動車を提供するなどのアクティベーションを行いました。

この成果もあってか、BMWは2020年の売上では、第4四半期においてライバルであるMercedes-BenzとLexusの2社を追い抜く成果を見せています。

eスポーツを使ってジェネレーションZにアプローチした日本企業の事例については過去に記事にしています。ぜひ以下からポチお願いします。

2-3. 大学のスポンサー事例:新入生を増やしたい!中退者を減らしたい!

トリを飾るのは大学です。アメリカ・ミシガン州にあるEastern Michigan Universityのeスポーツ活用術を見ていきましょう。ちなみにEastern Michigan大学は16,324人の生徒が在籍する州立大学、つまり公立大学です。(出典:Eastern Michigan University | Fast Facts

2-3-1. Eastern Michigan大学の課題

Eastern Michigan大学も含め、実はアメリカの大学はある課題を抱えています。それは“生徒数の減少”です。下のグラフはアメリカの大学生数の推移を表しています。きれいな右肩下がりで、アメリカの大学生が減り続けていることが分かると思います。2013年から2019年の6年間で約160万人(約▲8.3%)も減っています。

(出典:National Student Clearinghouse Research Center | Current Term Enrollment- Fall 2015Fall 2019 Current Term Enrollment Estimates より作成)

上のデータは私立・公立の4年制大学から2年制大学まで、さまざまな種類の大学全体の学生数でした。では、公立四年制大学に限って見るとどうでしょうか。2015年あたりから微妙な増減はあるものの、なんとか耐えているという感じでした。しかし、2018年から2019年にかけては10万人も減少しています。

(出典:National Student Clearinghouse Research Center | Current Term Enrollment- Fall 2015Fall 2019 Current Term Enrollment Estimates より作成)

では最後に、Eastern Michigan大学の生徒数の推移も見てみましょう。ご多分に漏れず継続的に減少傾向で、2013年→2020年の30%も減っています。

(出典:Eastern Michigan University |Data Book Fall 2020

学生数の減少を食い止めるには2つの方法があります。入学者を増やすこと。中退・転校者を減らすこと。要はINを増やし、OUTを減らすってわけです。この方法を具体的に実践する一手段としてEastern Michigan大学はプロeスポーツチームとのタッグに目を付けます。

1つ目の化粧品メーカーの事例でも取り上げたGen.G 。Eastern Michigan大学もこのGen.Gと手を組みます。(出典:EMU Today | Gen. G, Eastern Michigan University unveil multi-year, comprehensive esports program

Gen.Gは2017年に設立された、韓国に本部を構えるeスポーツチームです。韓国のほかにアメリカと中国にもチームを持っており、世界的なeスポーツチームです。数々の世界大会でチャンピオンに輝いており、League of Legends、Heroes of the Storm、PUPGの世界大会で合計7回も優勝しています。まさに世界トップレベルのeスポーツチームなんです。(出典:Gen.G | About

Eastern Michigan大学はGen.Gと共に、入学者(IN)を増やす&中退者(OUT)を減らすことを目的として、いくつかのアクティベーション施策を講じていきます。

では、実際にどんなアクティベーションをしたのか見ていきましょう。

2-3-2. 入学者(IN)を増やすためのアクティベーション

まずは、入学者を増やすためのアクティベーションから見ていきます。彼らはHigh School Invitationalというイベントを開催しました。これはGen. Gと共にEastern Michigan大学が主催する、高校生向けのeスポーツ大会です。

トーナメント方式で2週間にわたって開催されたこの大会は、28の州から100以上の高校が参加しました。大会中には高校生参加者がEastern Michigan 大学のeスポーツチームと対決できる場も設けられ、先輩学生との交流もあったようです。(出典:EMU Today | GEN.G Foundation opens application process for Eastern Michigan University students

将来の入学者を増やすために高校生に挑戦の機会を提供し、「Eastern Michigan大学に入ったらGen.Gとも関わりながら高いレベルでeスポーツをするチャンスがある!」「入学したい!」と思わせたのですね。

2-3-3. 中退者(OUT)を減らすためのアクティベーション

次は中退・転校者を減らすためのアクティベーションです。まずはどれだけの学生がEastern Michigan大学を中退・転校してしまうのかを見ていきましょう。

(出典:college factual | Eastern Michigan Graduation Rate & Retention Rates より作成)

これは、2015年に卒業予定だった学生の現在の状況です。約半分の50.3%が8年以内に卒業、つまり2019年までには卒業しています。しかし、こちらも約半分である48.2%がEastern Michigan大学を中退・転校したのです。

なぜ2人に1人の学生がEastern Michigan大学を辞めてしまうのでしょう。その理由を探るため大学の口コミサイトをみてみます。下のグラフはアメリカ大学の口コミサイトでのEastern Michigan大学の評判を抜粋したものです。この口コミサイトはその大学の在校生・卒業生からの生の声を聞けるようなものです。これをみて、このEastern Michigan大学がどんな大学なのかを探りたいと思います。

まず特徴的なのは、「ただ通うだけの大学ですわ」と答えてる人がけっこういるってことです。「大学のイベントもしくは伝統行事で一番好きなものはなんですか?」という質問に対して「あんまりないよ。だってcommuter大学だからね」と20%の人が回答しています。アメリカの有名・人気大学では学生の多くが広大なキャンパス内にある寮で生活します。対して、commuter大学というのはキャンパス内の寮に住む学生が少なく、キャンパス外から通う学生が多い大学なんです。つまり、Eastern Michigan大学は学生がみんなで寮の中でワイワイ暮らす大学というよりも、通うだけの大学ってわけです。なかなかドライな認識をされてしまってますね。

もう1つ気になる質問&回答があります。それは“パーティーについて”です。アメリカの大学と言いえばパーリナイ、パーリナイといえばアメリカの大学。そんなイメージがありますが、「大学でのパーティーはどんな感じですか?」という質問に対しEastern Michigan大学では28%の人がこう回答しています。「パーティー?パーティーって何?」と。もちろんパーティーという単語の意味が分からないという訳ではありません。パーティーって何?と答えてしまうほどにEastern Michigan大学ではパーティーが少ないということです。(出典:Niche | Eastern Michigan University

(出典:Niche | Eastern Michigan University より作成)

まとめると、Eastern Michigan大学は「単なるcommuter大学」「(友人づくりのきっかけとなりうる)パーティが少ない大学」なわけです。これは私がある大学職員と話したときに聞いた話なのですが、大学を中退してしまう学生は大学に居場所がなく、友達も少ない子が多い、と言ってました。だから彼は大学職員として、そういった子になんとか居場所を見つけ、友達を作ってもらおうと、イベントやらサークルを頑張って紹介するのだそうです。

Eastern Michigan大学は、学生たちのつながり&コミュニティ作りにeスポーツを活用しようとしました。それによって大学内に友達を作り、居場所を作ってもらおうと考えたのです。それが結果的に学生を大学に引き止めておくこと≒中退・転校者減少、につながれば、と考えたのです。

ではではここからは彼らが行ったアクティベーションについて、見ていきます。

まず1つ目のアクティベーションはFutures Programと呼ばれるものです。ソーシャルメディアを通してEastern Michigan大学の在学生・卒業生が自身のストーリーをシェアすることで繋がろうという企画を実施します。その中で、Gen. GもDiscordというコミュニケーションツールを通してディスカッションを開催します。

SNSで繋がって友達が作れることは現代ではごく普通ですし、ゲームという共通項でつながるコミュニティーの中でライフイベントを共有することで、繋がりの深い友人を作ることができそうです。

2つ目は、Women in Gaming Summer Campという女性学生限定のeスポーツ強化合宿です。生徒たちは実際に合宿するわけでなく、それぞれの自宅からオンラインで参加しました。第1回が2020年6月15~17日、第2回は7月6~8日、第3回は8月10~12日、と3回に分けて開催。キャンプではトップeスポーツプレイヤーからの講義やアドバイスを受けられたそうです。参加費は日本円で約1万円。(出典:EMU Today | Gen. G, Eastern Michigan University unveil multi-year, comprehensive esports program

3日間みっちり同じオンライン空間で一緒に時間を過ごす。参加者とお互いに知り合えることはもちろん、eスポーツキャンプ参加者という共通点によって強い絆が生まれそうです。そしてこのコロナ禍でも、キャンパスコミュニティーに近い体験ができそうなニオイがします。

最近の大学生はSNSで同じ大学の入学者と繋がって、入学前に「○○大XX年入学」なんていうLINEグループが存在していたりします。オンラインで大学のコミュニティーを見つけるのは当たり前の時代だからこそ、Eastern Michigan大学はeスポーツというオンラインで育む活動を上手く活用したのではないでしょうか。

Eastern Michigan大学は公式HPにて今回のパートナーシップの目的をこう表現しています。(出典:EMU Today | Gen. G, Eastern Michigan University unveil multi-year, comprehensive esports program

“to attract new students, as well as connect enrolled students”

“新しい学生をひきつけ、既存の学生をつなげる”

単なる真新しさからeスポーツに飛びついたわけでなく、新入生の興味を引くための新しいコンテンツとする。加えて、今いる学生同士にも横のつながりを作ってあげる。そのためにeスポーツを使うなんてなかなか斬新な取り組みだと思います。

実際に全てがeスポーツによるものとは限りませんが、2013→2019年まで減り続けていた入学者数が2020年に一転して増加します。2013年に記録した過去最多入学者数に次ぐ、過去2番目に多い入学者数を2020年に記録しています。

(出典:Eastern Michigan University | Incoming freshman class second largest in EMU history

3. おわりに

いかがでしたでしょうか。海外ではすでにeスポーツのスポンサーシップを自社の課題解決の手段として有効に活用している企業があるのです。

特に最後の大学の事例なんかは、日本の大学でも取り入れることを検討する価値はあると思います。人口の減少に伴い、大学の競争はより激しくなっていくことでしょう。世界に挑戦する日本のプロeスポーツ団体と組んで、このようなコロナ禍でも学生同士の有機的なつながりを構築する。もしくは、eスポーツという新しい分野に本気で挑戦したい高校生をサポートする環境を提供することで、他の大学とは違った魅力を提示できるのではないでしょうか。

日本ではeスポーツに手を出す企業がまだ少なく、非常にニッチな市場と言えます。このコロナ禍でリアルなスポーツは無観客や入場制限をしての開催が続いています。一方、eスポーツは興行と観戦がオンラインで完結する、という強みがあります。もしかしたらこんなコロナ禍においては、eスポーツの持つ特徴や強みがリアルスポーツ復活のヒントになるかもしれません。人の出会いや交流がオンラインに移行しつつある今、eスポーツに新しいスポンサーシップのカタチがあるのかもなぁ、と思う次第です。

日本においてeスポーツチームとか大会を運営し、eスポーツを盛り上げようとしている方はたくさんいらっしゃいます。そういった方と大企業や教育機関が連携することで、若者にアプローチしていく。そんな未来が動き出しつつあるのかもしれないですね。

「どのeスポーツチームにスポンサーすればいいの?」「スポンサーした後、何すればいいの?」など疑問がありましたらご相談に乗らせて頂きますので是非お気軽にご連絡お待ちしております!

今回もお付き合いいただきありがとうございました。